原作を読んだのは公開直後でもう結構経ってるので、出発する直前にざっと流し読みしておきました。
細かい流れは色々と忘れていたので、復習しておいて正解でした。
映画版では小さな時系列シャッフルやジーン君の過去や編集作業での追加エピソードもあり、終盤は丸々映画版オリジナルなので、原作既読者へのサプライズも上々。
それらの改変は、ジーン君をより主人公として引き立たせつつ、一本の映画として成立させるのに必要だったのだろうなと。
原作は終始ノンストレスでトントン拍子に進んで、これといった挫折も無いまま終わるので、物語の起伏という点では弱い感じですから。
あと、原作分だけだと尺が足りなくて90分に満たない!(ここが特に重要)
追加エピソードについては、原作でのあの劇中劇の内容を元に、ジーン君や世のクリエイターや諸々とシンクロさせて、物語のテーマとするまでふくらませた手腕にうならされます。
プロの仕事を見た。
印象的なシーンとしては、作中でも特に印象的なシーンとして扱われている、急にカラーになる花畑のシーン。
もともとフルカラーである映画版でどうするのかと思ったら、ああ来るとは…。
その他、細かい点。
- ミスティアさんの食生活とかナタリーとのやりとりの大半はカットされてた。
映画版では常にジーン君にフォーカスされてるので、そのために不要なシーンはカットしなきゃだからね! - ミスティアさんの顔がめっちゃSAOキャラ。(キャラクターデザインがSAOの人なので)
- マイスターのフィルムが原作では17時間だけど、映画版では72時間!?
そら編集も難航するわ…。 - フランちゃんが画面に映ってた!
2021/8/2 ここから追記
補足や、書き忘れてた事、新たに気付いた事など。
- 原作はジーン君とナタリーのダブル主人公で送る、秘めた才能をポンポさんに見出された二人のサクセスストーリーという造りだった。
個人アカウントでの無料ショートwebコミックという媒体の性質上、この単純明快でノンストレスな痛快活躍劇は実際大正解だったと思う。
映画版での改変は肯定派ですが、媒体が違えば最適な戦略も変わるというだけで、原作と映画版にはそれぞれの良さがあると考えてます。 - ポンポさんが使ってたPCのロゴが林檎っぽい猫だった。
多分、ニャップル社のiNyacだ。 - アランに目が輝いていると言われたことについて、確実に何らかの前フリなのは分かるけど、最初はイマイチ自分の中で解釈が定まらなかったが、1日経って何となく解釈が定まった。
撮影が楽しくて満たされてしまっていたため、後の編集作業で思い出を切り捨てられなくて悩む事を示唆していのではないかと。
そこから、何かを表現するためには別の何かを捨てなければならないという気づきに繋がる、と。 - ダルベールの妻役は急遽ミスティアさんがやることになったわけだけど、ダルベール再起後のアリアを聞いてたシーンでの娘役の人はどうやって決まったんだ??
オーディションしてる余裕は無いって言ってなかったっけ?
それとも、あのシーンは実際に撮影したわけではなくてジーン君の脳内世界だったというのか…。
2021/8/2 追記ここまで
最後に、私がこの映画で一番気に入っているのは……上映時間が90分ってところですね。
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